2025.11.07
光クロージャ組立の基礎知識
導入事例の要点
チェックポイントを押えて、確実な作業を行いましょう。
Q. ケーブル取り付け時の注意点はあるの?
A. ケーブルごとの注意点を確認しましょう。
❶ テープスロット型ケーブルの場合
被把持金具でケーブルを把持する際は、鬼目板の曲部側とケーブルの丸形状があう向きに取り付けてください。取付け向きが間違っているとケーブル把持力が低下し、規定の把持力を満足しない事があります。
ケーブルを鬼目板で上下両側から挟み込むタイプの場合は、ケーブル固定位置が上下中心に来るように鬼目板のボルト締付け量を調整してください。ケーブル固定位置が中心からずれていると、ゴムシールとケーブルの間に隙間が空き防水性能が低下する場合があります。
鬼目板のボルト締付け強さは、ケーブル外被に鬼目板の刃が食い込むまでが目安です。ボルト締め付け不足は把持力低下、ボルト締め付け過ぎはロス増の要因となります。

テンションメンバ把持金具でテンションメンバを把持する際、テンションメンバの表面にスロット材料カスが残っていないことを確認してください。カスが付着していると把持力が低下し規定の把持力を満足しない場合がありますので、サンドクロスなどでカスを除去してください。
テンションメンバ把持金具を締め付ける際は、テンションメンバが把持部 V 溝に嵌っている事を確認してください。テンションメンバ把持金具の締付トルクは、各クロージャの工法書を参照してください。

❷ DZ 型ケーブルの場合
別売りの DZ ケーブルアダプタが必要になります。部材販売も実施しておりますので、各営業窓口へお問い合わせください。
DZ ケーブルアダプタを使用せず直接鬼目板でDZ 型ケーブルを把持すると、鬼目板の刃で光ファイバ心線を外傷させてしまう場合があります。また、ケーブルを十分把持することができず、規定の把持力を得ることができません。

❸ ドロップケーブルの場合
ドロップ外被把持具の溝へ挿入して固定します。ドロップケーブルが溝に底付きするまで圧入します。「挿入部拡大図」の通り、奥まで押し込まれていることを確認してください。

Q. スリーブ開閉時に注意することは?
A. 光クロージャごとの注意点を確認しましょう。
❶ 架空専用光クロージャの場合
- 内部部品を挟み込まないよう、注意して開閉します。開き防止のラッチが付いているタイプは、根元のラッチ、先端のラッチの順番で確実に取り付けてください。
- グロメット(シールゴム)の水切りが内側にあることを確認します。水が入る隙間ができないよう注意します。

❷ 地中/架空用光クロージャの場合
導入されるケーブル外径に応じたグロメット( ケーブルシール )、閉塞栓が準備されていることを確認します。開閉手順は各光クロージャの工法書に従ってください。
グロメット、ガスケット、光クロージャスリーブシール部の表面にゴミなどが付着していない事を確認してください。ゴミ等が残っていると浸水の原因になることがあります。ゴミが不着している場合はアルコール等できれいに拭き取ってください。
グロメット、ガスケットへのシリコングリス塗布は、全ての面に薄く均一に塗布してください。グロメットスリット接触面へも塗布が必要です。
グロメット、ガスケットは、取り付け向きをそれぞれの工法書で確認し正しい向きで取り付けます。
光クロージャの締結は、各光クロージャの工法書を参照し、締め付けが一方向に偏らないよう、順番で3~4回に分け手締めで均等に締め込み、「電動ドライバー」は使用しないで下さい(ボルトを緩める時は使用可)。強く締め過ぎると部品が破損する場合があります。各光クロージャの規定トルクを遵守してください。
光クロージャ締結後は、施工不良による浸水を防ぐためにも確実にガスフラッシュテストを実施願います。詳細は、地中用光クロージャのガスフラッシュテストの項目を参照ください。
他の確認事項
- 心線は許容曲げ半径、部品の動作範囲を考慮した余長が確保されていることを確認してください。
- ケーブル導入部の根元は垂直状態を確保してください。

Q. 浸水しないかチェックするにはどうすればいいの?
A. ガスフラッシュテストの実施をお願いします。
地中用光クロージャを設置する際は、
ガスフラッシュテストの実施をお願いします。
地下など冠水が想定される場所に設置する際は、光クロージャ内部が浸水しないよう気密型の光クロージャを使用します。光クロージャ本体の合わせ目部分には、主にゴム ( グロメット、ガスケット ) を用いて気密を確保していますが、施工不良による浸水が起きる場合がございます。
施工時の注意事項
- ゴム ( グロメット、ガスケット ) へゴミの付着、キズが無いことを確認する。
- シリコングリスをムラ無く塗布する、ゴムを取付ける際にゴムがズレないように注意する。
- カバーの締め付けに不均一、不足が起きないようトルクレンチで規定トルクで締め付ける。

気密が確保されているか確認するために、施工後にガスフラッシュテストの実施をお願いしています。光クロージャのガスバルブからガスを供給 ( 乾燥圧縮空気供給装置などを使用 )しながら点検液 ( 石鹸水等 ) を用いて目視で確認します。
ガスフラッシュテスト実施時の注意事項
- 光クロージャの全周全箇所のシール部及びグロメット部、ガスバルブ部分から漏れがないか点検を
- 行ってください。
- 導入されたケーブルから内部気圧が抜けていくため、既定の圧力を保持した状態でガス漏れがないか確認する必要があります。
- 標準の封入圧は 39.2KPa(0.4kgf/cm2) です。
- 再組立時のガスフラッシュテストにおいて、漏洩が数回連続して発生した場合は、部材にキズや変形などがある可能性がございますので、ガスケット・グロメット(閉塞栓)を新品に交換してください。
※ 詳細は各光クロージャの工法書をご参照ください。
※ お客様毎に管理基準を設けている場合はそちらの条件に従ってください。
施工時には、必ず工法書をよく読み、記載内容・手順を遵守して作業を行ってください
住友電気工業 Optigate 光の基礎知識より抜粋
https://sumitomoelectric.com/jp/products/optigate/basic